わが家を新築した時…
わが家を新築させていただいたのは…
1999年4月のことでした…
建築基準法などによるシックハウス対策が施行されるようになったのが、2003年7月ですから、その4年前に竣工したことになります。
その当時、シックハウス症候群で苦しんでいる方々がいらっしゃる事を、私は知っていました。
わたしは、20代のバブル期に、インテリア関係のお仕事をさせていただいていました。その時に私が見たものは、まだまだ使える建物を壊しては建築し、その結果、日本古来の建物が姿を消していく一方で、新建材で固められた建物が増えていく日本でした。
私はその現状に耐えられなくなりました…
人間にとって大切なものってなんなのだろう…
変化していく世の中に必死についていくうちに、だんだん生きづらくなっていきました…
もっと大切なものがあるのではないだろうか?
そして…
古い建物を大切にしているイギリスに留学する事にしました…
イギリスでは、インテリアの専門学校に通っていました。そこには世界各国から集まったクラスメイトが居て、みんなが自然とインテリアに向き合ってることを羨ましく思いました。
日本には、多くの素晴らしい建材があり、素晴らしい職人さんがいらっしゃるのに、それが新建材へと変わりゆく姿を見てきました。
イギリスでは、古いものを大切にしながら、そこに住む人がDIYする、家族の為にある家でした…
ホームセンターに行き、自由に持って帰ってこれる壁紙のサンプルを数種類持って帰ってきて、自宅の壁にしばらく貼って、どれにするか決めたり…
普通にペンキを塗っている人を、あちこちで見かけたり…
休みの日には、その家の主婦が、道行く人の事を考えてつくられた庭を覗き込みながら散歩をするのが楽しみでした^ ^
そこには、人間が人間らしく暮らせる暮らしがありました。
帰国から5年ほどが経ち、自宅を新築するこのになった時、できるだけ天然素材のものを使う事にしました。
しかし、新建材で建築されるのが当たり前の世の中で、それは容易なことではありませんでした。
金額も膨れ上がってきます。
ですから、後々簡単にリフォーム出来る建具と壁の内装は、金額を抑える方向で考えました。
そして…
壁は、漆喰にせず、トミタの壁紙を貼りました。
当時、3歳 &1歳 & お腹の中にいた3人息子は…
現在、大学生と高校生ふたりになりました…
子供達の為に建てた家です。
思いっきり走り回り、笑ったり泣いたりしながら成長させていただきました。壁というキャンパスに絵を描いてみたり、楽しそうに壁紙を少しずつ剥がしてみたり、木製の車で走ったり…
温和な3人息子ですが、壁に穴が空いているところもあります。
現在、片付けをしながら…
もう、あんな風に走り回ることはないんだなぁ〜って、懐かしく思います。
このお世話になった家に、心を込めて漆喰を塗らせていただきたいと思っています^ ^
…つづく…
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